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40代女がマンガや映画、テレビについてつづるブログ

奥さんが倒れ半身不随、職を失い離婚から破滅へ

 この話はありがちだが実際にあった話。これから書く話は、私の周りで本当に起きたことであって、嘘はひとつもない。

 

私が勤めていた会社は東北のとある加工工場だった。車関連の部品加工をしていたその工場には、従業員が50人くらいいた。

 

事務所には事務作業をする男性が数人と、女性の事務員さんが数人。「現場」といわれる工場には従業員が数十人いた。

 

事務所にいたAさんという男性の事務職の人。この人がとても癖の強い人だった。同じく事務職をしていた私だが、いつも「金」の話しかしないAさんにはうんざりしていた。

 

今思えばいかにも「いっちゃってる人」という感じのAさんだが、当時はなぜか事務所では偉い立場にいた気がする。

 

Aさん、事あるごとに「金」の話。お婿さんとして入ったお家は、町でも有名な資産家だということ。

 

自分の乗っている車はグレードが高く、「一般庶民」には買えないということ。「あなたの家の資産はいくらなの?」というのが口癖のAさん。

 

ほんとうに嫌なやつ!!!

 

誰もがそう思っていた。完璧、会社の誰もが嫌っていたAさん。性格も悪く、自分のことしか考えない人で、能力があるとは思えなかった・・・

 

終わってるなコイツ・・・社員のみんながそう思っていた。

 

数年後、私は結婚と同時に退職し、Aさんとは疎遠になったのだが、元同僚から聞いた話だと、Aさんは「悲惨」なことになっていた。

 

まず、Aさんの奥さんが自宅で倒れた。脳梗塞を起こし倒れたのだが、発見が遅く後遺症が残ってしまった。

 

介護が必要になったAさんの奥さん。その後、Aさんと奥さんの関係が危うくなり、離婚してしまったとのこと。

 

Aさんは会社も辞め、以前のように「金」の話もする相手がいなくなった・・・

 

「高級車」を乗り回し、毎日「金」の話をして、自宅が「資産家」だと自慢していたAさん。

 

私たちに対する嫌味もすごかったが、Aさん自身の人生も「悲惨」なものとなってしまった。

 

ここで考えたのは、Aさんがいかに性格が悪く、誰にも相手にされなかったということ。

 

当時20代前半だった自分だが、毎日「金」の話をして自慢話をするAさんが「空っぽ」だということはよくわかっていた。

 

世の中、お金なしでは生きていけないけど、それでももっと大事なものもあるだろう!!!とAさんに言いたかった。

 

その後、結婚し出産した私が、仕事復帰しようとハローワークに言ったら、ひょっこりAさんに会った。

 

以前よりやつれたような顔で、「やあ久しぶり」という声も元気がなかった。

 

奥さんが倒れ半身不随。その後離婚。職も失い・・・Aさんの壮絶な人生が頭を駆け巡った。

 

Aさんはその時、40代くらいだったと思うが、一番働き盛りで人生が輝く時に、そんな状況になり最悪でしたね、とも言えず・・・

 

「職探し、がんばってくださいね」としか言えなかった。